「口腔機能低下症」って知っていますか?
みなさんは「口腔機能低下症」という言葉を耳にしたことがありますか?
その名の通り、さまざまなことがきっかけで口周りの機能が低下する病気のことです。
一番の原因は加齢ですが、障害や疾患などを理由に起こることもあります。
症状が出たまま放っておくと、食事が難しくなり、最終的に全身の筋肉までもが衰えます。年配の方は、要介護状態に陥る可能性も秘めている恐ろしい病気です。
詳しい症状や原因などを解説しますので、ご自身にも起こりうることとしてぜひ知っておいてくださいね。
どのように検査する?
歯科医院では、次の7つの症状に関して評価した上で診断が下されます。
1.口腔内の衛生状態の問題
2.口の中の乾燥
3.噛み合わせる力の低下
4.舌口唇運動機能の低下
5.低舌圧の問題
6.咀嚼機能の低下
7.嚥下機能の低下
以上の7つの項目を検査し、
・3項目以上該当している
・【3、5、6】のうち1項目以上が含まれている
この2点を満たした場合、口腔機能低下症だと診断されます。
主な症状
一言で「口腔機能低下症」といっても、症状はさまざまです。
大雑把にいうと「以前に比べて食事がしにくくなった」といった症状ですが、詳しくいえば
・食べ物を噛んだり飲み込んだりしにくくなった
・口腔内が乾燥しやすくなった
・食事中にむせやすくなった
といったものです。
食事以外では、薬の飲みにくさや滑舌の悪化などが挙げられます。
つまり、口腔内のさまざまな機能が低下しているわけですね。加齢によって発病リスクが上がるとお伝えしましたが、誰にでも起こりうるため注意が必要です。
ハッキリとした症状がないので自覚しにくいかもしれませんが、日常生活において少しでも違和感があったときはかかりつけ医へ相談することをおすすめします。
主な原因
症状だけでなく、原因も多岐にわたります。
まず挙げられるのが「加齢によるもの」です。高齢になるにつれて、口腔内の感覚が徐々に鈍化します。同時に咀嚼や嚥下、唾液分泌といった機能も低下するでしょう。
加えて、むし歯や歯周病などの口腔トラブルによる歯の欠損、義歯の適合不良などが症状として出るようになります。毎日の口腔ケアが不十分であると、状態は悪化の一途をたどることになるでしょう。全身疾患や、その治療に使用される薬の副作用、栄養失調なども例外ではありません。
これを見ても、口腔機能低下症は複数の要因が絡み合って起こることがわかりますよね。口腔内を清潔に保つことはもちろん、全身の健康管理を徹底するよう努めましょう。
症状が進行するとどうなる?
先述した症状を見て
「滑舌が少し悪くなるくらいは仕方ないかな」
「口の中がちょっと乾燥しやすくなるだけなら気にならないよ」
という方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし口腔機能低下症は、決して侮れない病気の一つです。
症状が進行すると、やがて全身の健康に支障をきたすようになります。放っておくと食事が億劫になり、外へ出て知人と交流をすることも面倒になってしまうでしょう。
というのも、歯が悪くなると、硬いものを食べられなくなります。パンやお粥といった軟らかい炭水化物ばかりを食べるようになり、タンパク質やビタミン類が不足して栄養が偏りがちになります。その結果、筋力が衰えたり体力が落ちたりして生活が困難になるでしょう。
最悪の場合、自宅の階段なども使えなくなってしまいます。
「少々の口の乾燥や滑舌の悪化なら大丈夫」
と楽観視せず、早めに対処することが重要です。
進行状況によっては、治療を受けても低下した機能が元通りにならない可能性があります。
今回紹介した症状に心当たりがある方はもちろん、健康だと思っている方も、65歳を過ぎたら定期検診を受けるようにしてください。
「気付かないうちに病気が進行していて、取り返しのつかないことになっていた!」
という事態を、免れることができるかもしれません。
日常生活に少しでも違和感が生じたときは、早めの受診をおすすめします!
お口周りの機能について、少しでも気になることがあれば早めに歯科医院を受診しましょう。
口腔機能低下症はもちろん、何かほかの口腔トラブルが発覚するかもしれません。
伊藤歯科クリニックでは、患者さまのさまざまな症状や検査結果から、適切な診断と治療を行っています。
日常生活において少しでも違和感があるという方は、ぜひ当院へお越しください。
投稿日:2022年12月30日 カテゴリー:未分類