歯磨きで歯茎から血が出る! その原因や対処法などを詳しく紹介【前編】
ブラッシング後のうがいで、水を吐き出したら血が混じっていた経験はありませんか?突然のことだと、少しギョッとしますよね。
「ブラッシングのときだけなら問題ないだろう」
と思って放っておくと、あとで大変なことになるかもしれません。
というのも歯茎からの出血は、かなり強い力で磨かなければ起こらないからです。
今回は歯茎から出血する理由や原因、適切な対処法を紹介します。
心当たりがある方は、ぜひ参考にしてください。
歯茎から出血する理由
歯茎から出血する理由として考えられるのが、次の5つです。それぞれ詳しく解説します。
1. 歯周病
最も多い理由が歯周病で、歯周病菌と呼ばれる細菌感染によって起こる炎症性疾患のことです。放置するとどんどん進行し、歯を失う恐れもあるため注意が必要です。
2. 噛み合わせ
不正咬合であったり歯ぎしりなどの悪習癖があったりすると、噛み合わせたときに歯が揺れて歯茎が炎症を起こしやすくなります。不正咬合や悪習癖を改善させるための治療が必要です。
3. ホルモンバランス
妊婦さんや更年期障害の方はホルモンバランスが変化しやすく、そのタイミングで出血しやすくなります。特に女性の場合は、女性ホルモンの分泌が増えたときに歯周病の症状が出やすいため注意しなければなりません。
4. ドライマウス
口の中が、常に乾燥しているという感覚はありませんか?YESと答えた方は、唾液の分泌量低下によるドライマウスかもしれません。
口が乾いていると歯に付着した汚れが落ちにくくなるほか、歯茎が炎症を起こして出血しやすくなります。
喫煙やストレスといった生活習慣、服用している薬を見直すことで改善が見込めるかもしれません。
5.誤ったブラッシング
ブラッシングのときに力を入れすぎると、歯茎が傷付いて出血することがあります。やさしくなでるように磨くことが大切です。
以上の5つが、歯茎からの出血が起こる原因です。
なお歯周病の罹患者は、2~5の理由が症状を悪化させる恐れがあります。
歯茎から血が出たときはすぐに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。
歯周病が恐ろしい病気って本当?
歯周病は、罹患者が世界的に多い病気の一つと言われています。日本国内だけで見ても、成人の約80%が罹患するというのですから驚きですよね。
歯周病菌は、歯に付着して残ったままの汚れをエサとしてどんどん繁殖します。最悪の場合、歯槽骨が溶解して歯が抜け落ちたり、細菌が全身の血管を巡って重病を引き起こしたりする恐ろしい病気です。
ちなみに歯周病患者の歯茎が赤く腫れるのは、細菌が侵入しないよう白血球が集まるためです。その部分を歯ブラシで強くこすると、出血するというわけです。
痛みがないからといって、出血を放置するのは厳禁です。歯周病の可能性を疑い、早急に歯科医院を受診しましょう。
歯周病の進行について
「歯周病」と一口に言っても、症状には色々な段階があります。
初めは「歯肉溝」と呼ばれる歯と歯茎との間の溝にプラークが溜まり、歯茎のみが炎症を起こします。適切に対処すれば、すぐに改善が見込めるでしょう。
しかし、症状が進行すると「歯周炎」となります。
深くなった歯肉溝がやがて「歯周ポケット」になり、歯石が溜まりやすい状態となるのです。さらに歯槽骨が歯周病菌に蝕まれ、歯茎が徐々に後退します。この段階になると、自分自身ではもうどうしようもありません。
そしてさらに歯槽骨が溶け、歯が浮いたような感覚となります。痛みはもちろん、膿が出てくることもあるでしょう。歯茎の後退が進むと、歯並びにも影響を与えます。
最後にはものがうまく噛めなくなり、歯槽骨が溶け切って歯が抜け落ちます。残ったとしても、抜歯せざるを得ない状態となるでしょう。
歯周病が、いかに恐ろしい病気であるか理解していただけたでしょうか?
次回も同じテーマを取り上げ、適切な対処法などをお話しします。
投稿日:2022年8月20日 カテゴリー:未分類