40代で歯が抜ける原因は「歯周病」の可能性大!治療法は?
「40代を過ぎると、歯が突然抜け落ちるかもしれません。」
…とても恐ろしい話ですよね。
歯がグラグラとしたり、歯茎から血が出たりする方は要注意です。
歯は食事や会話、表情の維持など、日常生活に欠かせない存在です。歯に関する正しい情報を知り、口元の健康維持に努めましょう。
40代で歯が脱落し始める方が多いのは本当?
40代を過ぎて、歯が脱落し始める方が多いというのは本当の話です。
平成28年の「歯科疾患実態調査」によると、40代で失った歯の本数は平均0.8本という結果でした。
また40代で、歯を1本以上失くした人は約3割だといいます。20~30代で平均0.2~0.3本、50代で平均2.0本ということを考えると、40代が大きな分岐点になるでしょう。
40代を過ぎて歯が抜け落ちやすくなるのはなぜ?
歯が脱落する主な理由は、むし歯・歯周病・歯の破折(ひび)の3種類です。
耳にする機会が最も多いけれど、イマイチなじみがないのは「歯周病」ではないでしょうか?
詳しく解説しましょう。
歯周病はどんな病気?
歯周病菌による感染症のことで、歯周ポケット(歯と歯茎の間)に蓄積した細菌が歯周組織で炎症を起こします。進行するにつれて徐々に歯槽骨が溶け、最終的に歯が脱落してしまう恐ろしい病気です。
主な原因として日々の磨き残しやストレス、口呼吸や喫煙習慣などが挙げられます。また乱れた食生活も、細菌を増やす原因となりうるので要注意です。
主な症状
・特定の歯がグラつく
・歯茎から血が出る
・歯茎が腫れている
・口臭が悪化している
歯が脱落した場合の対処について
むし歯や歯周病で歯が抜け落ちたときは、早急に歯科医院を受診しましょう。
治療が怖いからといって放っておくと、残存歯もグラつき始めて抜け落ちる恐れがあります。「歯が脱落するまで放置していた=その周りの歯も、細菌に蝕まれている可能性が高い」ためです。
主な治療内容
歯が抜け落ちたときは、歯周病の治療のあとに補綴治療を行います。それぞれ詳しく説明します。
1.歯周病治療
原因となる歯垢(プラーク)や歯石を取り除き、適切な方法でブラッシングを行います。歯周ポケットや歯茎の深部へ歯石がある場合は、外科手術を伴う可能性があることを知っておきましょう。
適切なブラッシング方法
1.歯と歯茎の間へ毛先が入るよう、歯ブラシを45度に当てる
2.鉛筆と同じ持ち方をし、毛先が広がらない程度の力をかけて、歯ブラシを前後へ小刻みに動かす
※1~2本ずつ磨き、前歯の裏なども忘れずキレイにすること
歯茎を傷付けないためには、柔らかい毛の歯ブラシを使うのがおすすめです。市販されている、歯周病用の歯磨き粉なども必要に応じて活用しましょう。
どれくらいの治療費がかかる?
歯科医院や治療内容によって異なりますが、診察および検査で、1回あたり1,500~3,000円程度が治療費の目安です(3割負担の場合)。
総額で5,000~50,000円程度と考えておくのがよいでしょう。
治療期間の目安
こちらも症状によってまちまちですが、一般的に1~2ヶ月程度の期間を要します。
症状がかなり進行している場合や、歯石が蓄積している場合はさらに長引くでしょう。
放っておくと周囲の歯を失う可能性も…
現実から目を背けて、歯周病を放置するのはNGです。
症状がどんどん悪化し、周りの歯もダメにする可能性があるためです。
患者さま自身の健康な歯を1本でも多く残すためには、早期治療が欠かせません。
というのも、歯周病は進行すると、元通りに治すことが困難な病気です。悪化させないために、早めの受診をお願いします。
2.補綴治療
保険適用で可能な補綴治療は、ブリッジと入れ歯の2種類です。いずれも欠損した部分へ、人工歯を詰めるという方法です。
ブリッジ
欠損歯の両隣りの健康な歯を削って土台にし、橋を渡すような形で固定式の被せ物を取り付けます。
入れ歯
ほかの歯へバネを引っかけて、入れ歯(着脱が可能)を固定します。
治療費用は?
検査・診察費用を含め、ブリッジは総額15,000~20,000円程度、入れ歯は5,000~15,000円程度かかるのが一般的です(いずれも3割負担の場合)。
どちらも用いる材質や本数によって異なるので、参考程度に知っておいてください。
作製期間の目安
ブリッジと入れ歯、いずれも作製に2~4週間程度必要です。
歯が脱落したまま放っておくのは厳禁!
歯が抜け落ちてしばらく放置すると、欠損部分へ両隣の歯が倒れ込んできて不正歯列や不正咬合につながる恐れがあります。
また歯周病が原因の場合は、周囲の歯も失いかねません。
不正歯列になると、日常生活に次のような支障をきたします。
・歯の隙間に食べカスが詰まりやすくなる
・磨き残しが生じ、口腔トラブルのリスクが高まる
・残存歯へ負担がかかって破折する
・頭痛や肩こりが起こる
このようなトラブルを起こさないために、早期受診・治療を心がけましょう。今回紹介した症状に心当たりがある方は、早めにかかりつけ医へ相談してください。
投稿日:2022年9月30日 カテゴリー:未分類