フッ素の効果、予防に効く?
「歯の予防にはフッ素が良い」と耳にしたことは、ありませんか?フッ素は歯みがき剤にも含まれていますし、TVCMでもその効果をうたったものが多くみられますよね。「そもそもフッ素って何なの?」「本当に予防に効くの?」など、ここではフッ素の効果について紹介しています。
フッ素って何?
フッ素は、自然界にある元素のひとつです。非常に反応性が強いため、単体で存在することはなく、他の元素と結合して岩石などの安定した状態になって存在しています。私たち人間の身体を構成する元素のひとつでもあります。
フッ素は、マグマに由来するため、岩石、海中、地表など、地球上のあらゆるところに分布していることから、私たちが口にする多くの食品にも含まれています。特に、魚介類や海藻、緑茶に多く含まれていますが、通常の食生活を送っていれば健康を維持するための適量が摂れるので、栄養価の側面ではフッ素の過不足について意識しなくても大丈夫です。
フッ素の歴史
そんなフッ素ですが、虫歯への効果が認められた源流は、19世紀はじめ、「とある(フッ素が多い)水源を生活水とする人々に虫歯が少ない」という傾向から研究が始められたことでした。その結果、1930年代になってようやく歯への効果が認められました。今では、WHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)、FAO(国連の食糧農業機関)、国際栄養学会、英国王立医学協会といった世界中の数多くの専門機関や学会で、フッ素の予防効果が認められています。
フッ素の効果とは?
歯は構造上、食事をすると、歯の表面のカルシウムやリンといった成分が溶け出してしまいます。そして、食事中に分泌される唾液に含まれるミネラルによって歯を修復する、ということが繰り返し行われています。
この修復を「再石灰化」というのですが、フッ素を利用すると、再石灰化が促進されるのです。つまり、フッ素が歯の表面のエナメル質と結合し、硬い構造に作り変え、歯を強化します。
強くなった歯は、虫歯菌による酸の攻撃にも強く、溶けにくくなります。ごく初期の虫歯なら、フッ素の効果で再石灰化され、治ることがあります。
虫歯を使って予防するには?
フッ素は食品などから体内に摂り入れてもあまり効果はありません。直接、歯の表面に触れなければ効果を発揮できないので、お口の中に長く留めておく必要があります。
そこで、フッ素塗布という処置が有効になるのです。フッ素によって、歯みがきでは落としきれなかったプラーク(歯垢)に含まれる虫歯菌の活動を弱め、歯を溶かす酸の発生を防ぎます。
特にお子さまの歯は弱く、生え変わりの時期などは虫歯になりやすいので、フッ素塗布がおすすめです。もちろん歯科医院で処置ができますし、市販のフッ素入り歯みがきやジェルを用いてご自宅でのケアも可能です。
投稿日:2018年9月28日 カテゴリー:未分類