自覚症状が出てからだと危険?歯周病で歯がなくなるメカニズム

自覚症状が出てからだと危険?歯周病で歯がなくなるメカニズム

日本人が歯を失う原因の第1位は、「歯周病」です。
公益財団法人8020推進財団による「永久歯の抜歯原因調査報告書/2005年」によると、歯を失った原因のうち42%が歯周病でした。
進行すると、酷いときには自然に歯が抜け落ちてしまうことがある歯周病。本人が気づかないうちに進行していることが多いのも恐ろしいところです。

歯周病は「生活習慣病」です

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる疾患で、生活習慣病のひとつです。普段からお口の中には歯周病菌が潜んでいるのですが、歯みがきや食習慣などに気をつけていれば、問題を起こすことはありません。
ところが、歯みがきをサボったり、清掃が行き届いていない部分があったりすると、細菌がネバネバした物質を作り塊となってプラーク(歯垢)が溜まります。それが歯周病菌の温床となり、歯肉に炎症を起こします。
また、歯並びの乱れや合っていない被せ物をそのままにしておくことも、歯周病発症のリスクを高めます。喫煙、ストレス、睡眠不足、食習慣の乱れも、歯周病菌に対する抵抗力を下げることになり、発症リスクを高めます。
さらには、糖尿病や心疾患といった全身疾患とも密接なつながりがあることがわかってきています。

「発症」から「歯を失うまで」の流れ

歯周病を発症すると自然治癒することはありません。しかも、自覚症状が出始めたときには、既に症状がかなり進行していることが多いのです。
健康な状態の歯肉は、キレイなピンク色で引き締まっていますが、いったん歯周病を発症して炎症がはじまると、腫れて、出血します。
ここまでくると、冷たいものが沁みたりするので自分でも歯周病の自覚症状が出てきますが、既に相当進行してしまっている状態です。
症状がひどくなるにつれて歯と歯肉の間の溝にプラークが溜まり、歯周ポケットが広がっていくのですが、いったん歯周ポケットができてしまうと、その中を自宅での歯みがきではケアすることができません。ケアが行き届かないまま、どんどんプラークが溜まっていきます。
さらに炎症が進むと、土台となる骨の部分が溶け始め、歯にぐらつきが生じます。やがて、自然に抜け落ちてしまうことに…。

歯周病になってから治すのでは手遅れになりかねません。悪化を止められず、歯を失ってしまう恐れが十分あり得るのです。そんなことにならないよう、これからは予防に目を向け、生活習慣に問題があるなら改めて、日常的にお口のケアを続けることが大切です。

投稿日:2018年11月17日  カテゴリー:未分類