マタニティ歯科maternity
マタニティ歯科とは
最近、妊婦さん向けの歯科「マタニティ歯科」が注目されています。母子手帳にも歯科の欄があることにお気づきでしょうか?
マタニティ歯科は、赤ちゃんの立場からみて「マイナス1歳からの歯科」ともいいます。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯菌であるミュースタンス菌はいません。赤ちゃんのお世話をする周りの大人からうつることがほとんどです。虫歯菌は唾液の中に含まれているので、同じ食器を使ったり、同じお皿から料理を食べたり、お顔にキスしたりといった日常生活の中でうつります。特に長い時間、一緒にいるお母さまからうつるケースが85%以上ともいわれています。
だからこそ、妊娠中のお母さまのお口のケアは重要なのです。赤ちゃんを虫歯から守るために、お母さまやご家族のお口を、健康な状態に整えておきましょう。
妊娠中の歯科治療
妊娠中はホルモンバランスの乱れから、口内環境にも影響が出がちです。つわりがひどくて歯磨きができず、どんどん歯周病が進行してしまう人もいます。
妊娠中に歯科医院に行ってもいいのか不安になる人も多いと思いますが、歯科医師が認める適切な方法で進めれば、治療を受けることは可能です。むしろ、生まれてくる赤ちゃんのためにも、お口のケアはしっかりと行っておくほうがよいでしょう。
妊娠中の歯科治療の疑問
一般的な虫歯の治療や、妊婦さんに多い歯肉炎の治療については、特に問題なく行えますが、避けたほうがいい治療もあります。
外科手術を伴うような大掛かりな治療です。インプラントや歯周外科治療といった治療になると、抗生物質や鎮痛剤が必要になるケースがでてきます。赤ちゃんへの影響を考えれば、この時期にこうした治療を受けるのは避けた方がよいでしょう。
レントゲンは大丈夫?
歯科用のレントゲンは、お口の中だけを撮影するので、おなかの中の赤ちゃんには特に影響はありません。全身のレントゲンでも、医療用の場合は問題がないと考える医師もいますが、 撮影する場合は、念のため必ずかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
麻酔はできる?
歯科治療の麻酔は、お口まわりに部分的に使用するものですし、少量です。歯科医師の管理のもとで行う分には、特に問題ありません。ただし、妊娠初期は不安定な状態なので、緊急事態でなければ避けたほうがいいでしょう。
歯科治療は、安定期に入ってから行うようにしてください。また、過去に麻酔でアレルギー反応が出たことがあるという方は、お伝えください。
薬を使っても平気?
一般的な歯科治療で使われるお薬なら、赤ちゃんに悪い影響を及ぼすようなことはありません。とはいえ、妊婦でなくても健康状態によって薬が合わない場合があったりするもの。
いずれも症状を診ながら、どのように治療を進めていくか歯科医師が診断します。
自分で判断しないで医師に相談しましょう。場合によっては、かかりつけの産科医と連携しながら治療を進めるケースもあります。
生まれてくる赤ちゃんの健康のために
赤ちゃんが生まれてから母子感染の防止のために、妊娠中に検診を受けるようにしましょう。口内環境が荒れやすい時期なので、できる限りの治療は出産前に行っておくべきです。また、ご自宅では歯磨きをしっかりとしてください。つわりの影響で難しい時もありますが、殺菌作用のあるカテキンが入った緑茶で口をすすぐだけでも効果的です。
フッ素やキシリトールは使用しても大丈夫ですので、予防に活用しましょう。